鼻形成術(美容・機能的鼻整形)
鼻骨・軟骨・軟部組織を再形成し、顔全体の調和と必要に応じた鼻呼吸を整える
この治療について
鼻形成術は、鼻骨、外側鼻軟骨、鼻中隔、鼻尖軟骨、軟部組織を外科的に再形成する治療です。隆鼻だけでなく、ハンプ、鼻尖、鼻翼、曲がり、左右差を整える美容目的と、鼻中隔・鼻弁を再建して鼻呼吸を改善する機能目的を同時に扱うことがあります。切開はopen(鼻柱切開を含む)またはclosed(鼻腔内)で行い、構造的手技、dorsal preservation、骨切り、軟骨移植などを解剖と目的に応じて組み合わせます。
本項目は外科手術を対象とし、既存の鼻糸リフトやフィラーによる非外科的鼻形成とは別概念です。ISAPS 2024では世界1,083,631件と推計された高件数の基幹手術ですが、前年比は減少しており「世界的に急増中」とは表現しません。自然な比率と組織温存への関心が現在のトレンドである一方、preservation法が全例で構造的手技より優れるという根拠はありません。
作用機序
骨切りや骨削りで鼻骨幅・鼻背を調整し、縫合、切除、軟骨移植で鼻尖・鼻柱・鼻翼支持を再構築します。機能的要素がある場合は鼻中隔矯正、spreader graft、鼻弁支持などで気道を保ちます。Dorsal preservationは鼻背の骨軟骨連続性を可能な範囲で温存し、push-down / let-downで高さを下げる考え方です。皮膚・瘢痕の収縮と軟骨の長期変化まで結果に影響します。
適応症
期待される効果
固定具を外す1-2週で大きな形態変化を確認できますが、むくみ、とくに鼻尖腫脹は数ヶ月続き、最終評価は通常12-18ヶ月です。2025年のdorsal preservation対reductionのメタ解析(10研究、1,339例)では、preservation群は鼻背不整が少ない一方で残存・再発ハンプが多く、機能、総合的な審美評価、再手術率に有意差はありませんでした。患者報告アウトカムは術後改善を支持しますが、尺度・術式・対象の異質性が大きく、個別の結果や完全な左右対称を保証できません。
臨床エビデンス
リスク・副作用
強い腫れ、内出血、疼痛、鼻出血、感染、瘢痕、知覚変化、嗅覚変化、左右差、輪郭不整、鼻尖の硬さ、軟骨移植片の反り・吸収、期待との不一致が起こりえます。鼻閉の残存・悪化、鼻弁虚脱、鼻中隔穿孔、皮膚障害・壊死、麻酔合併症、まれな視覚障害に注意し、再手術が必要になることがあります。喫煙、既往手術、厚い/薄い皮膚、瘢痕傾向、身体醜形への懸念を含む慎重な術前評価が必要です。